以前にもお話しましたが、ペンタックスのカメラボディーは、S3型でスーパータクマーレンズの完全自動絞りに対応すべく、大変身を遂げました。これと同時期に、従来のS2型ボディーも同じ改良を受けて、スーパータクマー対応となりましたが、このことは半ば秘密裏に行われました。その後、SV型でフイルムカウンターの自動復元が採用されましたが、旭光学が、完全自動絞り機能を持つスーパータクマーを使いこなすためには、スーパーS2(S2スーパー)型ボディーの登場まで待たねばなりませんでした。
この一連の過程をきちんと解説できれば、かなりのペンタックス通といえるでしょう。そして、内蔵露出計を持たない、S3~スーパーS2の時代に販売されていた後付の露出計が、今回展示するクリップオン タイプのペンタックスメーターです。
これらの露出計は、後に方形の況織瓠璽拭爾販売されたため、ペンタックス メーター 儀燭畔類され、使用者たちには、カメラ(親亀)の上に乗る恰好から、あるいは本体の形から、亀の子メーターとも呼ばれていました。機能的には皆ほぼ同じで、H(ハイ)R(ロー)切り替え、ASA6~1600、M型水銀電池を使用しました。
製造番号によりますと、この2機種が前期型と推定されます。他の多くのアクセサリー同様、旭光学の内製品ではなくて、この露出計はセコニック製でした。シリアルは1~2万代。
これは、中期型。やや合理化されています。製造番号は20万代。
この3台は、後期の製品です。メインスイッチにあるBの表示は、バッテリーチェック用。そのために、メーター読み取り部に緑色の指標が設けられました。
わかり難いのですが、前列と後列では、受光部リングのデザインが違います。最終製品(前列右側)のシリアルは、80万代です。
S3型に装着したペンタックス メーター。当時のアクセサリークリップ同様、固定部品の剛性が不足していたために、ちょっとした衝撃で、一番目立つペンタハウスにキズを付けるのが最大の欠点でしょうか。