レンズ収蔵品第101番は、スーパータクマー 70~150mm f4.5の初期型です。1964年(昭和39年)東京オリンピックの開催年に発売されました。オリンピックに向けて、新しいレンズを開発・製造すれば、大きな需要が見込めますので、当時の旭光学も、このレンズとタクマー400mm f5.6をオリンピック用途として発売しました(一般向け400mmは1965年発売)。このズームは最長焦点距離が150mm止まりですが、同時期開発の超望遠タクマー400mm f5.6とあまり変わらない大きさと重さを持つ、ヘビー級レンズでした。
初期型の特徴としては、文字が旧字体であることと、レンズの焦点距離表示がなぜか、赤い中央指標の左側90°に位置していることです。このため、カメラに装着して上から見ますと、今どのぐらいのミリ数で撮影しているのか、判りません。ペンタックス初めてのズームレンズでしたので、なんらかの意図があり、この位置に決定されたのでしょうが、まるで左隣の人向け表示のようです(笑)。当然、使い難いので、後期型は中央指標に近い位置に移されました。
専用のフードと近距離撮影用の専用アタッチメント レンズ(クローズアップ レンズ)です。距離表示の1階部分で使います。旧字体の物はほとんど見かけません。
タクマーのうちレンズ第一面に、凹面を持つレンズとしては、45~125mmズーム以外のズームレンズや、ウルトラアクロマチック タクマー 85mmなどがありますが、こんなお遊びもできます。
後日収蔵した、最初期ロットと思われるレンズです。SP型ボディーと同じ1964年発売ですので、他のスーパータクマー同様、6桁のシリアルナンバーも存在していたわけです。