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Channel: アサヒ ペンタックス Sシリーズ 博物館
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銚子カメラ博物館

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ご無沙汰しております。500mmレンズの展示はまだぁ?いやーっ、今年の夏は暑くて暑くて、しばし臨時休館してました。あいすいませんです。でも、だいぶ涼しくなってまいりましたので、館の扉を開きましょう。

というわけで、夏の終わりは・・・恒例の青春18キップ一回分、故意に余らしてのプチ旅行シリーズです。今回は千葉県銚子市にある、銚子カメラ博物館を訪問いたします。

銚子カメラ博物館は、山口製菓舗の先代社長さんが収集した、3000台のカメラの一部を展示してある博物館で、個人的に3000台の収蔵数は、おそらく日本一といわれております。国内で1000台のカメラを所有しているコレクターは、数十人はおられると思われますが、さすがに3000台はいないと思います。

しかしこの博物館、現在館主が不在で、博物館一階にある製菓工場の方が、仕事の合間に案内するという、ちょっと勿体無い形での運営になっています。ですから、開館時間は毎週日曜日の午後3時から5時まで(受付は4時まで)しかなく、那須から電車で訪問するには、針穴を通すようなコントロールが求められます(大袈裟!)。

入念にプランを立てていよいよ、9月8日(日)0729(7時29分)黒磯発上野行きで出発です。プチ贅沢してグリーン車に乗りましょう。休日は200円安い750円ですもん。宇都宮線→山手線→総武線・緩行→総武線・快速→総武本線で終点、銚子駅まで5時間半の旅です。途中、千葉駅で5分の乗り換え時間で余裕のはずが、構内改修工事のため、乗り換えに手間取り、1112銚子行き発車1分前になんとか乗車できました(でもガラガラ)。あとは順調に、1255に銚子駅到着。

しかし博物館は、15時からなので、同じホームの先から出てる、銚子電鉄に乗りさらに先へと進んでみました。

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銚子電鉄の駅です。私にはなんとも魅力的な響きの駅名(個人の感想です・笑)。この駅で上りと下りの列車の交換をしますので、2分ほど停車しますが、皆様駅標を撮影していましたので、ご利益があるのでしょうか?いや、あるに違いありませんぞ。

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終点の外川駅です。サビサビの電車が置いてありましたが、現役?かな。

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折り返し同じ電車に乗り、次の犬吠駅で降りて、水族館と灯台をめざします。ここは犬吠崎マリンパーク。イルカショウを観られますが、次は15時とのこと。イルカはいつでもこのプールにイルカ?と、近寄ると、あんさん誰?という目で見られました。

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次は、犬吠崎灯台訪問。小学校の遠足以来、45年ぶりでしょうか。モチロン上までいきましたが、だれもいなかったので、前半飛ばしすぎて80段目(全99段)から、ゼーハーゼーハー。階段せまっ!でも灯台は太い。ここで疑問。灯台の中心部は空洞?空洞ならそこにらせん状の滑り台作ると面白そう。

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時計を見ると1430だ!犬吠駅に戻り電車を待って、いよいよカメラ博物館へ。一階はおかしとパンの工場です。隣の、赤毛のアン、というお店に入り受付票に記入します。が、かわいい店員さんに「博物館見学に来ました!」と告げると、申し訳なさそうな顔で「見学は日曜日だけなんですよ」と言われ、ガッカリって、「今日は日曜です」。店員さん天然だなぁ~(笑)。

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博物館の内部です。総額で1億円以上とか。ペンタックスSシリーズもありましたが、3000台揃えるということは、どうしても薄く広くのコレクションになってしまいますね。それに、カメラコレクション全般に言えることですが、レンズやアクセサリーも揃えれば、もっと面白いのに、と思います。さらに、学芸員がいれば言うことなし、なんですが・・・。

ボクが近所に住んでれば、ボランティアでやるのになぁ。

帰りは7時間以上かかりました。宇都宮では混雑していた車内も、矢板を過ぎるとガラガラになりましたが、ずっと座らずに立っていました。あのおじさん(ボクのこと)なんで座らないんだろう?と言う目で見られたかな?でも、一日で11時間も電車に座ってると立ってるほうが楽なんですよ~!ちなみに私は痔主ではありません。

タクマー 500mm f5前期型

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レンズ収蔵品第93番は、タクマー 500mmf5の前期型です。レンズ構成はテレフォト型ではないため全長493mm、フイルム面までは50cm以上ある大型レンズです。アサヒフレックスの500mmレンズと同じ構造で、マウント部分のみの変更でした。絞り環は、クローム仕上げの物とブラック仕上げの物があります。

解像力のすぐれたレンズとして、当時は定評がありました。レンズ構成は天体望遠鏡そのものの、2枚構成です。カメラ関係の本には1群2枚構成と記されていますが、正確には2群2枚構成です。屈折望遠鏡を分解した人なら判りますが、鏡筒の先端に付いてるレンズは、色消しのため2枚構成です。カメラ屋なら、バルサムでくっつけて1群2枚にしちゃいますが、天体望遠鏡のレンズは、ごく薄いスズ箔を三箇所、隅に挿んであり、接着されてはいません。温度変化に対応するためなのでしょうか?このレンズもそうしてあります。

ピントもヘリコイドで合わせるのではなくて、ラック&ピニオン方式です。普通のレンズのように、無限遠位置でストップせずに、オーバーインフィニティーになります。これは、鏡筒が温度変化で伸び縮みして、無限遠の位置が移動するための対応策です。レンズマウントの部分は外せるので、ボディー装着は容易にできます。また、その部品にネジが切ってあり、46ミリ径のフィルターが装着できます。

天体望遠鏡といえば、フローライトやEDレンズの使用が一般化されて、この種の鏡筒を超望遠レンズとして流用することが話題になったことがあります。軽量、高解像度、安価などの利点がありますが、それを引き出すためには制約が多すぎて、一時の流行に終わりました。最大の欠点は、剛性の不足とピント合わせのやり難さ、でしょうか。ボクも天文好きで数台の望遠鏡を所有してますが、天体望遠鏡は、鏡筒が薄い鉄板やアルミでつくられており、数時間前から設置して、気温になじませてから観測する必要があります。撮影時、日が当たってる鏡筒上部が膨張して光軸がずれては、解像度どころではありません。

追記:このレンズの価格は?との質問をうけました。1957年~1961年販売され、昭和33年(1958年)当時の価格は53000円でした。現在に換算すると約81万円になります。昭和33年は一万円札が初めて発行された年でもあります。ちなみに、私が生まれた年でもありますよ。

6×6判 円周魚眼カメラを作るプロジェクトⅠ

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冬季は、庭のメンテナンスが夏ほどは忙しくないので、カメラ作り病が発症して、毎年のように珍カメラを製作してきました。去年は画期的ステレオカメラを作りましたが、完成させたら満足してしまい、試し撮りさえしてない始末です。

先日、ヤフオクをパトロールしていたら、Lマウントアダプターが付いているコパル癸吋轡礇奪拭爾鯣見しました。おお!これを使えば念願のブローニーサイズの円周魚眼カメラが作れるやん!で、早速落札(競争相手ナシ)して、手持ちの部品を組み合わせて、自作可能か色々と実験してみました。結果、問題なく作れそうですので、プロジェクトを立ち上げました。

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これが6×6判の円周魚眼カメラの概念です。フイルムはブローニー(中判)ですが、使用するレンズは35ミリ一眼レフ用対角魚眼レンズで、当然フィッシュアイ・タクマーを流用します。一番の問題は、フランジバック(マウント面からフイルム面までの距離)で、ペンタックス・スクリューマウントは、45.5mmです。フランジバックがとれて、且つイメージサークルにケラレがないかを何度も確認しました。

ところで、ペンタックスSシリーズのフランジバックについてですが、旭光学のカタログで昔から45.5mmだと記憶してましたが、ウィキペディアで確認すると、M42マウントは45.46mmとなっているではありませんか。おまけにペンタックスのKマウントも45.46mmになってる!誰が書いたのかナ~。間違いですよ。PS(ペンタックス・スクリュー)マウント、Kマウントのフランジバックは45.5mmです。旭光学の設計者の著書(社内用)に記載されていますし、ウィキでも兄弟マウントのY/Cマウントのフランジバックは45.5mmなのに。

ちょっと詳しく書きますよ。まず、旭光学が初めて製造販売した、アサヒフレックスは口径37mm、ピッチ1mmのネジマウントで、フランジバックは45.7mmでした。ウィキはここも間違って、45.5mmにしてあります。アサヒフレックスのフランジバックはPSマウントよりも0.2mm長かったのです。後の移行期にユーザーに無料で配布されたPマウント用のアダプターは、この0.2mmの違いをクリアするために巧みに工夫されています。その方法とは、ペンタックスSPなどのカメラマウントを観察すると、一番内側に一段低く溝が掘られています。この溝にマウントアダプターが嵌り、締めこんだ時にオリジナルのフランジ面よりわずかに0.2mmだけ浮かせる構造になっています。Kマウントアダプターでも同じ様な工夫で(今度は逆に少し低くして)、正確にフランジバックが出せるようにしています。

また、旭光学が口径42mmのネジマウントを使用するにあたり、本家のプラクチカに使用許可を願い出た時に、マウントの使用は許可するが、規格は社外秘(Kマウントは規格公開)であるので、御社で決定されたし、との返事が来たとのことです。要するに、P(プラクチカ)マウントの規格は公表されなかった、ということです。ですから旭光学は、プラクチカマウントを採用しているカメラを色々と実測して、規格を決定したとのことです。ウィキは実測なのかな、確かにリコーのKマウントを実測したサイトでは、45・46mmの値が出ていますが、実測値と設計値は違いますし・・・。

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ここで、話を戻して、これがカメラの部品です。単純でしょ。部品さえあればだれでもできそうです。コパルの1番シャッター、前部に付いてるLマウントアダプター(外そうとしたが現在外れず・汗)、ペンタックス純正のマウントアダプターB(L→M42マウントアダプター)、リトレックのレンズボード、3mmと5mmのアルミ板、ハッセルのフイルムバックの以上です。ハッセルのフイルムバックは、ずっと前にヤフオクでジャンク品を落札して直したものです。

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3mmのアルミ板はレンズボードに合わせて細工し、5mmのは、フイルムバックに直付けするので、正確にケガキ、ポンチして穴を開けます。今日、加工しようと思いましたが、最高気温-2℃の真冬日だったので、物置での作業ができませんでした。

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ただ重ねただけですが、完成予想図(笑)。

タクマー 500mm f5 後期型

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レンズ収蔵品94番目は、タクマー 500mm f5の後期型です。レンズ構成は前期型と同様の、2群2枚、天体望遠鏡のように鏡筒先端部に置かれています。

三脚座が今風に自在な位置で固定できるようになりました。替わりに、ラック&ピニオンでのピント調整機構が簡略化されています。前期型との違いはほとんど無いようですが、組み立てコストは下がった印象です。

年末から年始にかけて、タクマー500mm f5の前・後期型が数本立て続けにヤフオクに出品されました。かつて無い珍事(笑)でしたので地震でもあるのか、と思いましたよ。←深海魚か!

500mmレンズの展示からは大きなテーブルを使用してますが、照明が強くないので、コンデジズームレンズ開放絞りでの撮影になります。どうしても画質が落ちますね。三脚使用で絞って撮影したいのですが、マニュアル露出はできないカメラでした。

6×6判 円周魚眼カメラを作るプロジェクト Ⅱ

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消費税が上がる前に、駆け込みで投稿しますよ(笑)。


この前から製作中の円周魚眼カメラがやっと完成しました。一日で60センチも積もった大雪のため、物置においてあるボール盤(正確に垂直に穴をあけるドリル)が使えずに遅れてしまいました。このカメラは、ボディーが5mm厚のアルミ板だけなので、板にハッセルのマガジンが付くように正確に穴を開けるだけでほぼ完成です。

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中央部に直径53mmの穴を開けて、マガジンのビス穴通りに正確に9箇所穴あけします。そして、内面反射防止と遮光のための処理を行います(重要)。その後、4隅に6mmの穴を開けて、ボルトで固定します。

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フランジバックを計測すると、45.3mmです。ちょっと足りない?いやいや、設計通りの値です。ちょっとだけ内輪に収めて、あとはスペーサーでドンぴしゃりのフランジバックを出します。なぜこうするかというと、この種のカメラを作った先人たちが苦労したのが、ピントが合わないという現象でした。プロの工作場で、アダプターとボディーにあたるアルミ板を製作依頼することが多いようですが、この場合ピタリ、45.5mmのフランジバックを出しています。でもピントが合わない。原因は、ブローニーフイルムが35ミリフイルムと比べて面積が多い分、どうしても中央部が浮いて、結果フランジバックが短くなってしまうからです。


ハッセルのマガジンで中央部がどのくらい浮くのか?実際にフイルムを入れて手で押してみると、やはりペコペコします。カンピューター(古)計測器では、0.2mmと出ました(笑)。で、0.4mm厚の紙を挟んで、フランジバック45.7mmにして完成です。後は、試し撮りで調整します。

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去年の冬に作ってそのままにしてある、フル規格(ファインダー像もステレオ)・ステレオカメラと一緒に記念撮影。もう少し暖かくなったら、撮影してみますよ。

追伸:WiKi文法にしたら、右端が切れてしまいます。何回か試してもダメですね。

6×6 円周魚眼カメラ 文章だけバージョン(笑)

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消費税が上がる前に、駆け込みで投稿しますよ(笑)。


この前から製作中の円周魚眼カメラがやっと完成しました。一日で60センチも積もった大雪のため、物置においてあるボール盤(正確に垂直に穴をあけるドリル)が使えずに遅れてしまいました。このカメラは、ボディーが5mm厚のアルミ板だけなので、板にハッセルのマガジンが付くように正確に穴を開けるだけでほぼ完成です。

中央部に直径53mmの穴を開けて、マガジンのビス穴通りに正確に9箇所穴あけします。そして、内面反射防止と遮光のための処理を行います(重要)。その後、4隅に6mmの穴を開けて、ボルトで固定します。

フランジバックを計測すると、45.3mmです。ちょっと足りない?いやいや、設計通りの値です。ちょっとだけ内輪に収めて、あとはスペーサーでドンぴしゃりのフランジバックを出します。なぜこうするかというと、この種のカメラを作った先人たちが苦労したのが、ピントが合わないという現象でした。プロの工作場で、アダプターとボディーにあたるアルミ板を製作依頼することが多いようですが、この場合ピタリ、45.5mmのフランジバックを出しています。でもピントが合わない。原因は、ブローニーフイルムが35ミリフイルムと比べて面積が多い分、どうしても中央部が浮いて、結果フランジバックが短くなってしまうからです。

ハッセルのマガジンで中央部がどのくらい浮くのか?実際にフイルムを入れて手で押してみると、やはりペコペコします。カンピューター(古)計測器では、0.2mmと出ました(笑)。で、0.4mm厚の紙を挟んで、フランジバック45.7mmにして完成です。後は、試し撮りで調整します。

去年の冬に作ってそのままにしてある、フル規格(ファインダー像もステレオ)・ステレオカメラと一緒に記念撮影。もう少し暖かくなったら、撮影してみますよ。

ブロニカ ピストルグリップ 復元プロジェクト

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ごぶさたしております。草刈の季節が始まり、展示するレンズも大型となり、なんとなく更新がおっくうになってま~す(笑)。でも今回、画期的(自分では)なことに遭遇したので、ご報告します。

6月に愛車エクストレイルの13年目の車検があります。このクルマ、ライト周りをちょこっとだけ改造してあるので、車検前にノーマルに戻さないと検査が通りません。で、まずはウインカーレンズを引き剥がすようにして取り去り、ヘッドライトを外すのですが、13年の歳月で劣化したのか、ウインカーレンズのプラ製の爪がもぎ取れてしまいました。

まあ、新品部品でも6千円、中古だと2千円で入手できますが、ここはDIY精神で直そうと思い、プラリペアという補修用品を近所のホームセンターで購入、初めて使ってみました。結果は、スゴイ!完璧にそれも30分もあれば直せます。

あれ!あれ!!あれ!!!これで、いままでどうやって直すかずっと考えてた、ブロニカのT型グリップ(通称ピストルグリップ)が簡単に直せるかも。そこで、早速実行してみました。

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このグリップ、大震災で落ちて、画面手前の金属棒に付いていたレバー部品(一番奥の直角三角形の黒いプラ製部品と同じ形です)が割れて行方不明となりました。とれた側は絞込みボタンを動かすレバー、残った方はシャッターボタンを押すレバーだったので、それほど不便は感じませんでしたが、そのうち真鍮板でも半田付けして直すかな、と考えていました。このレバーを、プラリペアと型取くんを使い、完璧に復元するのが今回のプロジェクトです。

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いきなりですが、直りました。反対側の残ったレバーに、お湯でやわらかくした型取くんを押し付けて、メス型をコピー。その型にプラリペアを流し込んで、すばやく復元する部分を挿入して、10分程固定すれば出来上がり。養生も含めて半日もあれば十分。オリジナルも同じ材料・方法で作ったのではないか、と思うほど完璧に復元できました。なんでも、このプラリペア、歯科用のレジン(虫歯とか入れ歯に使う)だそうで、道理で硬化が早くて、強いわけです。

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別アングルから。

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ブロニカS2に取り付けて、元通りにちゃんと動きました。ほかにも色々と使えそうですナ。

マッシー写真ハウス訪問

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本日はお約束通りに、当博物館と同じ栃木県にある、増野さんの写真ハウスにおじゃましました。那須からクルマで1時間と少しで、茂木町の増野さん宅に到着です。ボクは国道294号線を使い、東京の病院に通勤することがあるので、地図ナシでも迷わずスムースに行けました。

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写真ハウスと館主の増野さんです。PENTAXに勤務されていたころのお話など、いろいろ伺いました。それにしてもすごい蔵書です。全て写真関連、特に写真集です、写っているのは1/4、残りはボクの背中側に控えてます。蛇腹カメラ等、一部が展示されていますが、カメラの殆どは別棟での展示にむけて準備中とのことでした。

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ボクのためにSシリーズの珍品を用意して戴きました。これはPENTA ASAHIFLEX H2です。初めて手に取りました。

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こちらは、ESの350万代ボディー。試作機~ごく初期に生産されたボディーで、大部分がテストを兼ねて写真作家に貸与されていたのではないかと思っています。20年探してもみつかりまへん。

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350万代ESボディーとSP兇離好吋襯肇鵐椒妊ー。スケルトンなので写真は撮れませんが、シャッターなどは市販品同様に機能します。近い将来、3Dプリンターが普及すれば、シロウトでもユニークなカメラボディーが作れそうです。

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行きは那珂川の海側の道を利用したので、帰りは山側を通りました。増野さん宅近くの那珂川です。さすが関東一の清流です。大分上流ですがウチの近くも流れてますので、泳いでいけるかも(笑)。当日はカメラを持参しなかったので、携帯で撮りました。ブログにアップするために、かなりサイズダウンしてはありますが、まるで立体感のない、のぺっとした絵です。最近はスマホがカメラ代わり、という人も多いようですが、ハッキリ・クッキリはしてるけど、こんな絵で満足できるのかなぁ。

増野さんに当ブログでも紹介して下さい、といわれました。興味ある方は、必ず事前に電話で連絡してから訪問してください。写真ハウスは不定休で見学は無料です。下野新聞にも紹介されました。
http://www.shimotsuke.co.jp/town/region/central/motegi/news/20140419/1568097

電話番号・0285-61-1650

追記:増野さん本日はありがとうございます。とても楽しい時間を持てました。カメラ館が竣工したら、ぜひまたお伺いします。冬には那珂川までの小道が出来上がりますように(笑)。せっかくご用意していただいた資料を忘れてきてしまいました!次回訪問時までお預かりください。例のレンズはカビがかなり出ていたので、全部ばらしてバスマジックリンで洗浄しました。50mmですが、なぜか28mmの鏡筒に入ってます。なんで?

タクマー 500mm f4.5

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2ヶ月ぶりに登場です。これには理由がありまして、以前お話しましたが、現在撮影するレンズのサイズが大きくなって、カメラ部屋の小さなテーブルでは収まりきれなくなり、居間のテーブルを利用しています。しかし、十分な光量が確保できずに、絞り開放での撮影となってしまい、満足な絵が撮れませんでした。いろいろと考えた末に、新たな照明システムを導入し、展示開始です。

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レンズ収蔵品第95番は、タクマー 500mm f4.5です。当時、500mmでf4.5は、かなり明るいレンズでしたが、その分大型で大口径でした。従来のタクマー500mmレンズと同様に後端部が取り外せて、カメラの脱着やタテ・ヨコ変換、そして49ミリフィルターが装着できます。また、この部分を利用して、他社のマウントに改造されたレンズもありました。ニコンマウントの物は持っていますし、6×6のブロニカで使用していた人もいました。

解像力については、良いと言う人と、悪いという人がいて、不明です。恥ずかしながら、このレンズで撮影したことがありません(汗)。今度、持ち出してみますか・・・でもデカイので、不審者と思われるか、逆にへんなおじさんを惹きつけるかですよ。まあ、激パ(笑)ならOKでしょうか。

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こんな感じで撮影してます。買うと高いですが、殆どもらい物です。ストロボは高価で初めから却下。ビデオ用のハロゲン球もいいのですが、対費用効果から蛍光灯の反射傘にしました。傘とランプで5500円、でももっと明るいほうがいいナ。36Wの蛍光灯5本(白熱灯1000W相当)を使用してますが、105W×5にしようかナ・・・でも、105W5本で1万円近い買い物です、止~めた。

スーパー マルチ コーテッド タクマー 500mm f4.5

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レンズ収蔵品第96番は、スーパーマルチコーテッド タクマー500mm f4.5です。タクマー500mm f4.5をマルチコート化したレンズで、Sシリーズ500mmレンズの最終製品です。旭光学のSシリーズの交換レンズには、ケースが付属していました。500mmまでは本皮や合皮製の筒状ケース(芯は紙と布)で、これ以上の大きさのレンズでは、アルミ製のトランクケースとなります。

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前回お話した、ニコンマウントに改造されたタクマー500mm用の後部アタッチメントです。この部品は1000mmや135~600mmズームと共通ですので、これらのレンズにも使用できます。

ところで、大きなレンズはどのように保管すればよいのでしょうか。防湿庫に入れればベストでしょうが、おおきな防湿庫は高価ですので、所有している人は少数でしょう。トランクケースですと、あるていど余裕があるので、吸湿剤とカビ防止剤をいれて、定期的に交換すればかなり有効と思いますが、当館でも過去に1000mmタクマーでほんの小さなカビが発生したことがあります。タクマー500mmのような、筒状の付属ケースに入れておくと、必ずカビが発生します。とりわけマルチコートされたレンズはカビが出やすいのだそうです。

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そこで当博物館では、実験的に通風を考慮して、細い木でラックを作り、そこにタクマーの500mmレンズ4本を裸のまま保管しています。15年以上その状態で保管されていますが、現在カビが出ているレンズはないので、とても有効な方法ではないかと思います。

今回で、Sシリーズのタクマー500mm全レンズ、4種類の展示は終了です。次回からはSシリーズではもっとも焦点距離の長い、1000mmレンズの展示ですが、3種のうち、現在SMCタクマーの1本しか所蔵していませんので、何を展示しようか考え中です。

キヤノン 50mmf0.95 改造

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以前当ブログで、キヤノンのテレビカメラ用50mm f0.95レンズを、中古カメラ市で安く入手し、それを装着するために、キヤノン7のボディーを小改造したと、報告したことがあります。秋も深まり、草刈からも開放されましたので、今回はボディーではなく、いよいよレンズの改造をしてみました。

まず、オリジナルのf0.95のマウント側がどのようになっているのか良く見ておきます。カメラ屋さんのHPから無断で借りてきちゃいました。まあ、この店で何点か購入したので、ここはサービスしてもらいまひょ。

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有名な話ですが、距離計のコロを動かすためのレバーを作るために、レンズの後玉が大胆にもブッタ切られてます。そして、後玉保護のために4箇所の突起もあります。フレアーが起きやすいのは、これらの細工が原因ではないか、ともいわれています。

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これが当博物館収蔵のTV用のf0.95です。後玉保護の突起ではなく、筒状になっているため、キヤノン7のボディーでは、内面反射防止用隔壁に干渉して、装着不可です。また、距離計関連の部品はまったくありません。でもレンズはブッタ切られてないです(笑)。前回のボディー小改造では、この隔壁の干渉する部分を切除しました。しかし、その方法ですと、専用のボディーが必要ですし、なにしろ距離計が使えないので、かなり不便でした。

で、今回はオリジナル同様、距離計連動とするために、ひと手間かけるか!ということになりました。

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前回改造した部分をジャンクから部品をもらい、隔壁を元にもどします。


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まず、じゃまな筒状部分を切除します。レンズを繰り出してどこまで切ればよいのか、ケガキます。そして、レンズユニットを外してから、マスキングテープとティッシュペーパーを使い、切り粉がヘリコイドに入らないように丁寧に養生し、糸鋸で切断します。ステンレス用の刃を使えば、5分もかかりませんでした。その後、水砥用#1000ペーパーで仕上げます。しかし、こんなピカピカの部品が付いてたら、フレアーも起きまんがな。

この処理でキヤノン7ボディーに装着OKとなります。7に付けて距離計を観察します。レンズを無限遠にして遠くを見ると、距離計はズレてます。今度はカメラの距離計だけを見てみると、(無限遠なのに)かなり近い距離での合焦を示してます。でも、これで良いのです。もし、逆(近くなのに無限遠表示)ですと、レンズ後玉を削らないと、距離計が使えず、シロウトにはお手上げです。

要するに、現在のこの状況ですと、距離計のコロが当たるレンズ部分に、ちょっとゲタを履かせてあげればOKということです。えっつ!レンズにキズが付くんじゃないの!と思われるかもしれませんが、大丈夫。スレッドはもちろんバイヨネットでも、殆どのマウントはレンズを回して装着しますが、キヤノン7のf0.95マウントは、伝統のスピゴットマウントで、レンズを一切回転させずに装着できます。キズも付かず、ゲタも極一部分履かせるだけで、距離計連動OKとなるのです。


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加工を終えたたf0.95です。プラリペアの小片を接着して、距離計連動にしてあります。プラリペアは歯科用レジンですので、強度は十分ありますし、仮に磨り減っても、この上にまたレジンを乗せればOKです。

プラリペアは、同じ程度の曲面を持つジャンクレンズに垂らして、少し硬化したらツメで集めて直径・高さともに5ミリ程度の塊にします。その後、十分に硬化したら、レンズから剥がして、ヤスリで側面を整形し、少量の瞬間接着剤で、距離計のコロが当たるレンズ面に貼ります。半日放置にてから、上面を少しずつヤスリで削り、レンズと距離計の無限遠表示がピタリと合うように調整をします。



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ボクのカメラチェック法です。シャッターをBかTにして、フイルムレールにメンディングテープを貼って(フイルムの乳剤面の位置に注意して貼る)映像を写し、7倍のルーペで観察します。

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無限遠も近距離も、7の距離計通りに合焦してます。完成です。


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全ての7ボディーに装着できて、距離計も使えるようになりました。

タクマー 1000mm f8(未収蔵)

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博物館の展示棚は作りましたが、タクマー 1000mm f8は、現在未収蔵となっています。アサヒペンタックスSシリーズでは、3種類の1000mm超望遠レンズが製造されましたが、タクマー表示のレンズはこのレンズだけで、表記通りテレタイプではなく、3群3枚構成で、全長は920mmもあります。

今はなきペンタックスのご本家カメラ博物館には展示してありましたが、それ以外にはヤフオクで一回だけ遭遇しました。ただ、状態が悪かったのと付属の専用ケースや三脚がありませんでしたので、見送りました。専用の木製三脚は、最終型のSMCテレタクマー用でさえも、付属品などが全て揃っていることは殆ど無い状況です。ライカコレクターの格言ではありませんが、レンズは売っても三脚(ライカだとフードです)は売るな!でしょうか(笑)。

で、代わりに今回は超弩級レンズとまではいきませんが、弩(ドレッドノート)級ぐらいの6×7用のSMCタクマー600mm f4を展示します。

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このレンズ、ペンタックスSシリーズ用のレンズでも通用するぐらい、コンパクトです。しかも600mmでf4ですので、かなり明るいレンズです。通常の光学ガラスしか使われていないので、画質は?ですかねぇ、確認のため次回までにはDs2で撮影してアップする予定です。

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当時の旭光学からも、純正のP・Kそれぞれのマウントアダプターが供給されていました。

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Sシリーズの300mm f4も美しいけど、600mm f4はさらにグラマー(笑)でしょ。

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ピント合わせはヘリコイドではなくてラック&ピニオン式です。固定するための仕掛けはないので、上向きの撮影では、おさえてないとピントが移動してしまいます。

マッシー カメラ博物館 プレオープン

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昨年、当研究所で御紹介しました、写真はうすの館主、増野さんが、いよいよ第2弾のカメラ博物館を来る3月15日(日)にオープンすることになり、そのプレオープンとして、本日訪問させていただきました。

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本日、出来たてのほやほや看板だそうです。看板のおかげで、クルマで来ても場所が分らずに通過してしまうことは無いでしょう。

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学芸員のネコ氏に導かれて、博物館前に到着。

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力強い筆です。なんでも、地元の書道家に書いていただいたそうです。

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中に入りますと、見覚えのある案内板が・・・これ、益子のPENTAXのカメラ博物館で使われていた実物です。ということで、これは、案内板ではなくて、博物館の展示品ですので、午前9時30分から開館しているわけではありません(笑)。

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館内全景。ペンタックスが主ですが、他のメーカーのカメラも展示されています。

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PENTAX NOCTA、初めて触りました。レンズはタクマー300mm f3.3ですが、全体的な印象はタクマー300mm f4に似ています。レンズだけ取れるかなと思いましたが、簡単には取れない構造のようです。次回しつこく触ってみます。

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タクマーの次がスーパータクマーなら、スーパータクマーの次は?ウルトラタクマーでしょ!と、旭光学の人も考えたのか?これは試作品とのこと(001番)ですが、詳しい探索は次回のお楽しみといたします。

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ペンタックス オリジナル(AP)ですが、シャッターダイヤルが銀梨地メッキです。殆どのAPは後ろのカメラのように黒メッキです。APのカメラ開発時には、アサヒフレックス同様銀メッキ(APは梨地)が採用されたが、文字が読みにくいと指摘されて、発売時には黒メッキに変更されたのでしょうか。

増野館長お一人で全ての収蔵品を整理するまでには、まだまだ時間がかかるとのことですので、今後も珍品が発掘されることでしょう。自前の博物館を持つ、ということは、コレクターの究極の目標でもありますので、これを実現された増野さんの実行力は尊敬に値します。また、3月20日に発行される、月刊日本カメラ誌にて、増野氏のカメラ博物館の記事が掲載予定だそうです。

カメラ博物館のオープンは3月15日(日)です。見学希望の方は必ず事前に電話(0285-61-1650)にて御問い合わせください。

テレ タクマー 1000mm f8(未収蔵)

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前回のレンズ展示から、もう半年もたってしまいました。時の経つのが早いこと。ちなみに、81歳になる母は、「朝起きたと思ったら、もう寝る時間だ!」が口癖です。ボクも年をとったということでしょうか?

今回のテレ タクマー 1000mm f8もまだ未収蔵で、面目ないです。今、ヤフオクに出てますね。中古並品ランクだナァ~、レンズとトランクケースだけではちょっと高いナァ~、も少し詳細な写真がほしいカモ~、ブツブツブツ・・・。

替わりに今回こそ、超弩級のレンズをご紹介します。展示したのは、SMCタクマー6×7 800mm f4です。本体だけで17.7圈⊆軅源塞覆如販売価格は98万円でした。高価な受注生産品ですので、よほど明確な目的がないと持つことはなかったと思われ、このレンズも生産時に、オーナーの希望で台座に加工が施されています。もちろん、中古品を安価で収蔵しましたが、一人では三脚に据え付けることさえ困難です。

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撮影までの準備ですでに疲れました(笑)。この手のレンズは、空洞部分が多くて意外と軽量なものが多いのですが、このレンズはアルミとガラスの塊のように重いです。

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6群6枚構成、絞りはf45まで、最短距離は20メートルです。

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明確な目的で発注されたレンズでしょうが、ほとんど使用されていなかったようです。大きすぎて防湿庫には入りません。専用のトランクケースにて保管しているので、カビの予防には気を遣います。

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サービス ショット、似た者同士です(笑)。

スーパー マルチ コーテッド タクマー 1000mm f8

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お久しぶりです。展示するレンズが大きくなるにつれ、撮影がおっくうになっています。本日は快晴、微風、しかし明日は雨とのこと。これは、最後の大物を撮るには今しかない、ということで、庭に出て撮ってまいりました。
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レンズ収蔵品第97番は、スーパーマルチコーテッド タクマー 1000mm f8です。テレは省かれていますが、モノコートのテレタクマー1000mmと同じレンズ構成です。全長728ミリ、居間のテーブルに載せると、背景紙が足りませんので、屋外のバーベキュー用のテーブルに載せて撮影しました。

最短撮影距離は表示では、30メートル、手前のサイトは倒せますが、どこかに引っ掛けて、取れて失っているレンズも多いです。今は軽量なカーボン三脚がありますが、ほとんどの三脚では役不足でブレてしまうでしょう。できればシネ用それもビンテンとかサクラー(ザハトラー)などのプロ機材がおすすめです。プロ機材なみの剛性を持つ、付属の三脚やトランクケース持参ですと、一人では無理です。そのためか、このレンズで撮影してる現場に遭遇したことは、一度もないですねぇ。

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付属の三脚に鎮座したタクマーの雄姿(笑)。

新規収蔵  タクマー 100mm f3.5

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1000mmタクマーの展示を終えて、最終章のズームレンズ展示をするまえに、ここ数年間で新たに収蔵したレンズの展示をします。

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レンズ収蔵品第98番の、タクマー 100mm f3.5です。Sシリーズの先代である、アサヒフレックスの時代から製造されており、レンズ構成は同様の3群3枚のトリプレットですが、鏡筒は時代に合わせて、真ちゅう製から軽合金へと変わっています。製造期間は約1年、比較的早く同じデザイン、プリセット絞り、4群4枚 エルノスター構成の105mm f2.8レンズに替わりましたので、製造数は少なめです。以降、旭光学の100mm付近のレンズは105mm f2.8が標準となりました。後に100mm f2のタクマーも作られましたが、焦点距離100mm前後のレンズは、90年以上前、エルノスターがf2で作られたように、比較的設計・製造が容易で人気もあり、レンズメーカーが競って販売していましたので、会社としても、無理な競争は避けたのでしょうか。

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1本のレンズキャップが、AOCOマークのプラ製です。初めはこのような簡易なキャップは、双眼鏡用だと思っていましたが、後に同様なレンズ何本かに遭遇しましたので、そういう訳でもないようです。

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オシリを診ますと(笑)、アレ!違うレンズやん!そうなんです、マウントがアサヒフレックス用 (口径37mm P=1mm フランジバック45.7mm)とペンタックスSシリーズ用(口径42mm P=1mm フランジバック45.5mm)のレンズです。写真のレンズは無限遠位置ですが、ブローニーサイズの2眼レフ用のテイクレンズを参考に設計されたと思える、深いバックフォーカスです(レンズ後玉がかなり奥にある)。

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ペンタックスSシリーズ用のデザインを持つ、アサヒフレックスレンズは、135mm f3.5と83mm f1.9でも見られます。アサヒフレックスは守備範囲外なので、極力収蔵しない方針ですが、最近入手したM37の135mm(左から2番目)には、超珍品のSシリーズ用純正フィルターが付属していたので、落札しました。M37マウントとM42マウント、純正マウントキャップの大きさはかなり違いますねぇ~。


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当博物館唯一のアサヒフレックス ボディーに装着。このボディー、山田医療照明という無影灯や歯科用ライトを作っている会社が販売していた品で、無影灯の中央部に取り付けて、術野の撮影をするためのカメラです。セット品であるM37の100mm f3.5レンズがそのまま入る、山田医療照明の化粧箱と、棒などでフイルム巻上げができるような専用部品が付属しています。恐らくペンタックスでは初めての医療用カメラと思われます。

新規収蔵 ユニバーサル タクマー 100mm f4

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3年以上前になりましょうか、ある朝、「ユニバーサル タクマーで検索してごらん」と心の中でだれかが教えてくれました。早速実行すると、あれまぁ!未知の札幌の中古カメラ店に、置いてあるではありませんか。しかも、ベローズ タクマーと同程度の売値です。「もう無いんじゃない?」と思いながらも、急いで電話で問い合わせると、なんと「在庫してます」とのこと。

レンズ収蔵品第99番は、そのような経緯で、即買いしたレンズです。45年間で5本のみ遭遇した珍品です。すでに展示済みのベローズ タクマーはペンタックスSP型と同じ、1964年の発売ですが、その前に極少数販売されたレンズです。販売後、すみやかに銘盤のみベローズ タクマーに変更されましたので、鏡筒やレンズ構成はベローズ タクマーと同一です。

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しかし、当初はなぜユニバーサル銘で作られたのでしょうか?ほぼ同時期に、等倍まで可能な接写用レンズとして、マクロ タクマー 50mm f4が発売されましたが、ユニバーサル タクマーはベローズがないと使いものになりません。引き伸ばしレンズにも使える?でも100mmですからねぇ・・・。肝心のベローズも当時の物は、きわめて使い難いシロモノでした。とても万能レンズとはいい難い。以前、このことを益子のペンタックス博物館の館長さんに話したら「まったく、そうですよねえ」と言われてしまいました(笑)。

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これは私見ですが、同時期に人工溶融水晶レンズを使った、クオーツ タクマーが発売されました。紫外線撮影用のラボ用レンズです。クオーツ タクマーもベローズ仕様でしたので、企画時、旭光学としては、研究対象物の紫外線撮影用には、クオーツ タクマー、通常光撮影用には、ユニバーサル タクマー、と研究室でペアで使われることを想定したのかも知れません。

タクマーのトワイライトゾーン(200号記念)

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今回は、200号記念として、趣向を変えて。
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これらのタクマー55mm f1.8たちは皆、1971年前後に製造されたレンズです。1971年というのは、単層コーティングだったスーパー タクマーが、7層コーティングされたスーパー マルチ コーテッド タクマーへと改良され発売された年です。左からシリアルナンバー順に並べてみましたが、スーパー タクマー表記のレンズでも、すでにコーティングはSMC化されています。

旭光学の慣例として、同じシリーズ(M42マウントならSシリーズ、その後はKシリーズなど)では、ボディー同士、レンズ同士のシリアルナンバーは重複しないようにつけられていました。Sシリーズの初期のレンズは、製造番号は6桁から始まりますが、SP型ボディーの爆発的ヒットにより、それ以降は速やかに7桁となりました。ちなみにSシリーズに8桁番号はありません。

おそらく社内の製造管理部門で、これらのシリアルナンバーを管理していたと思いますが、どのボディーやレンズにどの帯域の番号を与えるのか、圧倒的に種類が多い交換レンズの製造番号の管理は、気を使う作業であったはずです。1ロット(旭光学の1ロットあたりの最少数は推定300~500)の製造が許可されると、その製品にふさわしい空き番号をさがして指定、下請け工場にレンズ銘盤の製造依頼、別の下請けで文字を彫刻、別工場でメッキ、最後に文字入れ、で旭光学に納品されてレンズに組み込まれて完成、となったと思います。これが最も多く製造された55mm f1.8では、1ロット、数千本という数だったのではないかと想像できます。

ですので、展示したレンズのように、スーパー タクマーの製造番号がSMCタクマーより後の番号であっても、特に不思議ではありません。50mm f1.4も近い番号帯がありますので、連続で数千に及ぶ空き番号帯がここしかなかったのでしょう。

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詳しく見ていきますと、2本のスーパー タクマー シリアルは4732275と4762193。2本ともマルチコーディングですが、当然、開放測光マウントではありません。ちなみに、プロダクトナンバーは、2本とも37101。

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これら2本のタクマーはスーパー マルチ コーテッド タクマー表記ですが、シリアルが若いレンズは開放測光マウントではありません。それに、スーパー タクマーよりシリアルが36500も若い番号!また、開放測光SMCタクマーでさえスーパー タクマーより5400若い番号。こちらのプロダクトナンバーは、37101と37104(開放測光マウント)

このことは、バイブルにも記載されていますが、どういうことなのでしょうか?もしボクがSMCタクマーでも開放測光・非対応のレンズを購入したら、速攻クレームいれますよぉ~。逆にマルチコートのスーパー タクマーなら、得した気分ですけど・・・。

販売不可の展示品?訳アリとして安く売った?1971年といえば、すでに写真に目覚めていた13歳でしたから、学校の帰り道、当時カメラ店としては国内有数の規模の、カメラのキムラ日本橋店(校門から徒歩5分)にちょくちょく出入りしておりました←校則違反←でも同好の志の先生によく遭遇しました。この店で、端境期で売れ残ったスーパー タクマーを何本か購入しましたが、この類のタクマーはありませんでした。そして今の様に、お客が自由に触れる展示品は、当時は無かったと記憶しています。ショウウインドーに置かれたカメラはありましたが、棚ズレ品にならないように、一定期間で入れ替えて販売されていました。

極初期型においてのみ、開放測光マウントを持たないスーパー マルチ コーテッド タクマーは、300mm f4でも見られますが、いずれにしても、後々トラブルの元になりそうな行為ですよねぇ。

SMC タクマー ズーム 45~125mm f4

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いよいよ今回からレンズ編の最終章、ズームレンズ展示となります。

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レンズ収蔵品第100番は、SMCタクマーズーム 45~125mm f4です。このレンズは名称からも判るように、タクマーの末期に製造されたレンズであり、当時、提携話が進められていたカール・ツアイスと合同設計された、といわれる数種のレンズのうちの一つです。

現在では当たり前に存在する、標準レンズ以下の焦点距離のズームも、当時、在ることはありましたが、特に広角側で周辺の画質が急落し、満足に使用できるレンズはありませんでした。しかし、このズームレンズは45mmという準広角ではありますが、満足すべき性能を持ち、Sシリーズの後のKシリーズにも同じレンズ構成で引き継がれました。また、後のMシリーズで28~50mmの傑作ショートズームを生む基礎にもなったと思います。

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左側がタクマーで、右がKマウントのペンタックス銘のレンズです。タクマーは文字や表示の間隔がゆるめで時代を感じさせます、また、タクマーに限り、ドイツ製の光学ガラスが使用されているとも言われています。展示したKマウントレンズは、後期タイプで距離表示がタクマーと違い3階建で、手前側は、専用のアタッチメントレンズ(クローズアップレンズ)使用時の距離指標となっています。

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58ミリのレンズ口径に直接フィルターを装着すると、45mmの広角側では四隅にケラレが生じてしまうので、67ミリのフィルターを挟むように装着できる、専用の2分割フードが用意されていました。

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Kマウントの後期製品向けに作られた、アタッチメントレンズです。他のタクマー ズームレンズは全て、距離表示が3階建てで、専用の近距離用アタッチメントレンズが付属していましたが、SMCタクマー45~125mmズームの最短距離は1.5メートルでしたので、発売時は専用クローズアップレンズの使用は考慮されておらず、Kマウントのレンズ、それも後期型になってから初めて使えるようになりました。しかも、レンズに付属はしておらず、別途購入する必要がありました。

おそらく、旭光学に「もっと近距離で撮影できないのか?」との要望がよせられたのでしょう。しかし、わざわざアタッチメントレンズを購入してまでも近距離で使う人はまず居なかったようでして、Kシリーズ用のアクセサリーでは、珍品扱いとなっています。

スーパータクマー ズーム 70~150mm f4.5 初期型

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レンズ収蔵品第101番は、スーパータクマー 70~150mm f4.5の初期型です。1964年(昭和39年)東京オリンピックの開催年に発売されました。オリンピックに向けて、新しいレンズを開発・製造すれば、大きな需要が見込めますので、当時の旭光学も、このレンズとタクマー400mm f5.6をオリンピック用途として発売しました(一般向け400mmは1965年発売)。このズームは最長焦点距離が150mm止まりですが、同時期開発の超望遠タクマー400mm f5.6とあまり変わらない大きさと重さを持つ、ヘビー級レンズでした。

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初期型の特徴としては、文字が旧字体であることと、レンズの焦点距離表示がなぜか、赤い中央指標の左側90°に位置していることです。このため、カメラに装着して上から見ますと、今どのぐらいのミリ数で撮影しているのか、判りません。ペンタックス初めてのズームレンズでしたので、なんらかの意図があり、この位置に決定されたのでしょうが、まるで左隣の人向け表示のようです(笑)。当然、使い難いので、後期型は中央指標に近い位置に移されました。

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専用のフードと近距離撮影用の専用アタッチメント レンズ(クローズアップ レンズ)です。距離表示の1階部分で使います。旧字体の物はほとんど見かけません。

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タクマーのうちレンズ第一面に、凹面を持つレンズとしては、45~125mmズーム以外のズームレンズや、ウルトラアクロマチック タクマー 85mmなどがありますが、こんなお遊びもできます。
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